2010年5月3日月曜日

J'sGallery
黎明から、関トラ、全日本 開催へ

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1972年の関トラ・チャンピオンに輝いたQQSCの田中(英)サン。ベルスタッフの上着を着て観ているのは未だ白髪の無かった頃の松田。この時代のマシンは、本田もヤマハは川崎も鈴木も専用車は未だ発売しておりませんので、本田SL125かヤマハDT-1等の個人改造車が主でした。改造範囲も一部の者はACGのフライホイールマスを増やしておりましたが、大抵の者は保安部品を外して軽量化を計った車に後輪スプロケットとドライブスプロケットでレシオを下げ、アクロンのアルミリム/トライアル専用タイヤを履き空気圧を下げた位で参加していたとの記憶があります。(松田)

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日本のトライアル会の先達である万沢サン成田サンのクリーンライダースと田中兄弟のQQSCが主催していた「関東トライアル選手権」(略称カントラ)1972年の懐かしい写真ですね。場所は今は宮ケ瀬湖の湖底に沈んでいる早戸川河川敷です。(松田)
万沢安央氏がスタート前に進行方法等を説明。万沢、河野、田中兄弟、松田、石塚3兄弟を始め、成田省造らの関東の日本のトライアル界の主立ったライダーが集まっていた。

「60年代からのトライアル事情」
トライアルは自然の地形を利用した環境の中で、足つき等の減点を少なくし「クリーン」に走りきるかを競う競技です。
今では、お馴染みのトライアル、また、全日本選手権、さらには世界選手権まで日本で開催されるようになりましたが、60年代当時の日本のバイクメーカーからトライアル車は発売されていませんでした。参加者のバイクはノーマルオフロードバイクで、一部オンロードバイクでした。
当時は、時折MCFAJが主催していたトライアルイベントがありましたが、年間を通じてのトライアル大会は少なく、どの大会も出場人数は10名〜多くて20名の一握りです。
もっとトライアルを知ってもらいたいと言う想いで1967年頃「QQSCトライアル採点会」を開催することにしました。当日の参加ライダーは約20名ほど集まりました。
セクションを造り、模範走行をして基本となる走り方を教えました。午後からは競技形式で各自の採点をしました。走る難しさはありましたが楽しさを感じてくれたようでもありました。

更には1969年までには「QQSCトライアル大会」と名打ってシリーズ戦を開催していました。出場者は多いい時には50名位集まり大会規模も大きくなって来ました。参加者のバイクの改造レベルも高くなり、それにつれてセクションもレベルアップしてきました。
主な出場改造バイクはC2SS、DT−1、SL90、125、といったオフロードバイクがベース車として使われる様になりました。

「QQSCトライアル大会」の規模が大きくなるにしたがい、情熱を盛ったトライアルクラブの参加も増え、トライアルを更に盛んにする為に幅広くトライアル参加者を求めるイベントとして、1970年「関東トライアル大会」、通称「関トラ」を創設し「QQSC」と「CRTC」の交互共催で進める事になりました。
「関トラ」の開催場所は「CRTC」の熱意により新たに捜し出した、神奈川県宮が瀬の「早戸川」が会場となりました。
それまでの多くが河原で行われていた時代とは違い山の中の本格的なトライアル会場となりましたので、トライアル車に求められる性能もより高く、同様にライダーの技量が試される場ともなりました。
岩のステアケースは更に高く、山の斜面の上りは更に急に、上りの助走は更に短く、ターンもきつくなり、といった具合に大きく変わりました。
やがて「関トラ」が定着し参加者も増え、全国各地でもクラブ単位でトライアルが開催される様になっていました。
日本の4メーカーの動きも始まり関係者の視察や出場があり「トライアル車の開発」が視野に入ってきました。
そして、1973年1月に「ホンダTL125」が発表され発売となりトライアルが魅力ある競技となっていきます。
また、一方では「QQSC」「CRTC」「TRC」「RBTC」等の当時の主力クラブで、将来のトライアル運営を話し合い、「MFJ」も巻き込んで、ようやく73年11月に「第1回全日本トライアル選手権大会」が開催されるのです。
その後、MFJ公認「各地区選手権大会」も開催され、今日のトライアルの世界が定着する事となりました。
*この文章は、田中 義耿さんの「'60年代からのトライアル事情と参戦記」から抜粋させていただきました。



'73全日本TR。今は宮が瀬ダムの湖底に沈む早戸川渓谷に作られたセクションをトライするライダー。清流と紅葉がきれいだった事を思い出す。何人ものライダーが熊を見たという話もあり、熊注意の看板もあった。



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懐かしいマシン達。上からホンダ・バイアルス。唯一4スト125cc。ヤマハ・TY250。ライダーは大月信和さん・木村治男さん。名倉直さんが乗っていたスズキ・RL250。山本隆さん・加藤文博さんがカワサキKL250を走らせた。

*掲載中の画像がクリックすると拡大表示されます。

<文:田中 義耿 写真:鈴木 雅雄 写真解説:松田 稔>

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